INABAの部屋

 皆様こんにちは。こちらはこれから一級建築士を目指している方に向けたブログとなっております。
筆者は令和元年に一級建築士を取得しましたが、実はそれまで製図試験で角落ち(3年連続で不合格して再度学科から受験する)を経験した元ダメ受験生です。
 そんな私が言うのもなんですが、一言、この試験は勉強と練習だけしていれば勝てる試験では無い!」ということです。
 本記事はそんな元ダメ受験生だった私が「自分みたいな受験生を生み出さない!」為に投稿したものです。
 「そんなに落ちてる人の意見なんか参考にならないわ!」と思う方もいると思われますが、そんな方は目次だけでも目を通していただけると幸いです。

一級製図試験とはどんな試験か?

 先ず製図試験とは学科試験が7月に行われて9月に合格者が発表され、10月の第2日曜辺りに製図試験 が行われます。
 およそ毎年10000人程の方が受験し、そのうち4割ほどの方が合格されますが、3年以内に合格できなければ、再度学科から受験することになります。

受験者数合格者数合格率
令和2年11,035人3,796人34.4%
令和元年 5,937人
4,214人
2,030人
1,541人
34.2%
36.6%
平成30年9,251人3,827人41.4%
平成29年8,931人3,365人37.7%
平成28年8,653人3,673人42.4%

 7月の学科から受験され、合格された方(以降 学科合格組)には勉強時間が実質2か月半程しか勉強 時間がありません。にもかかわらず、平成26年度の調査では製図試験合格者の中で学科合格者の割合は 35%~40%となっており、再受験組(2年目・3年目受験組)の合格者の割合は45%~50%でありまし た。
 このことから学科合格組と再受験組の合格率の差はおよそ10%程度しか差が無いということが分か ります。これは勉強時間をたくさん確保できるからと言って確実に合格できるではなく、短い時間でも コツをつかんでいれば十分合格できるということを表してます。
 次からは学科合格組と再受験組のどこ が違うのかについて解説します。

再受験組と学科合格組の違い

 前記で説明した学科合格組と再受験組とでは何が大きく違うのか? 具体的には学科合格組は全てが初めて学ぶことばかりで覚えることに必死ですが、残り2回まで落ちても 二次試験から開始できるので余裕があります。
 再試験組は予備知識が備わっている分学科合格組と比べて勉強時間に余裕がありますが、あと2~1回 落ちてしまうと、また学科試験からやり直しというプレッシャーがあります。
 そもそも何で勉強してきた時間が大きく違うのに合格率に大差が無い大きな理由の一つが本試験では これまでどの過去問にもない条件が出されるからです。
 これが受験者の心を大きく揺さぶります。特に猛勉強した受験生程、貯めてきた知識を生かす為「あの方法がいいかこの方法がいいか」と悩んでしまいパニックになる傾向があります。
 逆に勉強量に自信が無い方程「落ちて当たり前」という分腹をくくっているので、思いつく対策1つのみでかけられるので集中できる傾向があるということです。
そう、この試験は本番にいかに心を乱さずに実力を発揮できるかにかかっています。
この心の揺さぶりを飲み込むことが合格に繋がります。

本試験での割り切りの決断力

 私もそうでしたが、本試験では確実に合格したいために完璧な計画にしたいという願望が大きくてしま います。
 しかしこの試験は制限時間内では完璧な計画はできないように設定されています。
その為、いくつかの条件を犠牲にする決断力が求められます。そこで犠牲にする条件が試験管の添削する際に重要度が高いか低いかによって合格へのハードルが大きく変わってきます。
 例えば条件に「レストランを東側の公園からアプローチさせる」があるとして、ただその条件を満たすとなると「レストランを南側に配置する」(条件ではない)が満たせないとなるとどちらを優先するべきか。となると課題条件にある 「レストランを東側の公園からアプローチさせる」の方が優先となります。 「レストランを南側に配置する」 は望ましい条件ですが、決して課題条件ではないので無理に満たす必要はないのです。
このように守るべき条件は守りつつ、犠牲にしても不合格にならない条件を切る捨てる決断が本番には必要になります。
 この試験はどの条件を優先させて、どの条件を切り捨てるのか判断力が問われる試験でもあります。

不合格の要因を徹底的に追及する (再受験の方はこちらから)

 製図試験で不合格となってしまった方は、まず「どうして自分が不合格となってしまったのか。」理由を追求してください。そのことが次回の試験の合格への近道となります。
 その敗因を追求する方法は他受験生の図面と自身の図面を徹底比較することです。
合格図面にあって自分の図面にはない点や不合格図面はどうして不合格になってしまったのかを各図面を比較して追求することが合格要因を突き止める近道となります。
 合格図面の収集方法はウラ指導さんが主宰しているユーザープランニングに参加することで可能となります。
 このユーザープランニングは自分の答案図面をユーザープランニング登録者同士に公開すると引き換えに 他のユーザープランニング登録者の答案図面をダウンロードすることが可能です。これらは図面だけでなく要点記述とも掲載されていて判定ランクも公開されています。そのうえ作成時間も公開されているので、図面のクオリティ毎にどのくらいの作成時間が必要となるかの参考にもなります。

 こちらは参加は無料になっておりますので、とりあえず惜しくも不合格となった方はできるだけ早めに参加されることをお勧めします。
 私の場合は当時の合格図面を見て「こんなんで合格できちゃうの!?」と驚いたのを思い出します。 私も角落ちする前は資格学校に通ってましたが、そこでは不合格になっても他受験生の合格図面を検証する機会が無かったので、てっきり「合格する人はきっと完璧な計画の図面を作成したに違いない!」と思い込んでました。しかし、それは大きな間違いであることに気づきました。
 このユーザープランニングに参加して「不合格図面と合格図面は紙一重」ということに気づいてください。そして次こそは合格を勝ち取ってください。

過去問の研究 (初受験の方はこちらから)

 上記にて他受験生の図面を研究することの重要さを伝えましたが、それ以上に重要な事が過去の本試験課題の研究です。初受験の方はここから勉強してください。
 建築技術教育普及センターの公式ホームページにて過去8年分の課題文・答案用紙・標準回答例がダウンロードできます。
 なぜ過去問の研究が重要なのかというと、過去本試験にて出題された課題には必ずその年の課題にしかない条件(爆弾条件)があります。その年の特有の条件を研究していけば次の本試験の爆弾条件のレベルが把握でき、本試験での心構えができます。 
 本試験課題には独特の言い回し・用語の意味・対処方法(ローカルルール)が存在します。例えば「公園から直接アプローチできるようにする」と「公園からの動線に配慮する」では意味が似ているようで違います。前者では対象の室から直接出入りする必要があるので公園が1階にあれば対象室は必然的に1階指定ということになります。後者は公園から何の障害もなく対象の室に行ければ問題ないということで、公園から廊下とEVや階段で繋がっていれば2階でもOKということになります。このように本試験独特のローカルルールをしっかり研究することで本試験でも似たような表現が出題された時に「この出題者は何が言いたいのか?」が分かるようになります。
 また標準回答例は試験元が「こんなレベルでOKですよ!」というメッセージが込められてます。他受験性の合格図面もそうですが標準解答例も完成度がそこまで高くありません。
 過去8年分程の本試験課題を全てダウンロードして、爆弾条件・標準回答例・ローカルルール等を徹底的に研究してください。

不合格が発覚してから真っ先にやるべき事のまとめ

 ここまで不合格になってしまった受験生がまずやるべきことを紹介しました。
まとめとして「ウラ指導」主催のユーザープランニングに参加して自身の再現図面を提出した上でどのくらいのレベルで合格できるのか・どんなことを犯してしまったら不合格になってしまうのかを把握すること。
 次に過去の本試験課題・標準解答例を建築技術普及センター公式HPよりダウンロードして課題文の爆弾条件(その年の課題にしかない条件 )・ローカルルール(本試験課題独特の言い回し・用語の意味・対処方法 )・標準回答例(試験元が合格とみなすレベル)を研究することです。この2つが不合格が判明した時点で真っ先にできるというよりやるべき事です。
 以下の記事からはエクセルを使った他受験性の図面を分析するツールを紹介します。
その次は私が分析した平成30年度製図本試験の分析結果を公開します。


 私は角落ちの前は資格学校に通ってましたが、通学は私には合いませんでした(言い訳かもしれませんが)。角落ちしたときはお金が無かったので独学でやっていくことを決めて県内の一番大きな本屋で過去問と参考書を探してました。その時に本棚の中に一冊だけあった
「一級建築士受験 合格者たちの勉強法という赤い本を手に取ったことがウラ指導式勉強法の出会いでした。それまでは一級建築士試験の勉強は資格学校に通わないとダメ!と思い込んでましたが、独学でも十分可能ということをこの本を読んで知り、「もっと早く気づけば良かったのに」と後悔したのを覚えてます。
皆様は決して私のようなダメ受験生を反面教師として最短合格を目指してください!!

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